電動歯ブラシの仕組みを徹底解説【構造も図解で分かる】
本記事では、電動歯ブラシの構造や仕組みについて解説します。
全ての電動歯ブラシが全く同じ構造や仕組みではないので、あくまでも「ザックリとした理解」のためにご覧ください。
電動歯ブラシの構造を図解
電動歯ブラシの仕組みを知るまえに、電動歯ブラシの構造を理解することが重要です。
電動歯ブラシの構造を図解すると、下記画像のようになります。
上記図の内容について、分かりやすく解説していきます。
まず、電動歯ブラシの構造はざっくりと4段階に分けることができます。
- ブラシ部分
- 振動軸
- 本体の上部
- 本体の下部
そして、本体の下部が「電源」、本体の上部が「動力」、ブラシ部分と振動軸が「振動(回転)」の役割を担っています。
「電源」がモーターを動かすために必要であり、「モーターの動力」がブラシを振動・回転させるために必要です。
この電動歯ブラシの構造を理解していれば、電動歯ブラシの仕組みを理解することは難しくありません。
電動歯ブラシの仕組み
一言でいえば電動歯ブラシは、モーターの回転運動を振動(回転)に変換することで、手磨きでは実現できない高速な振動(回転)を実現しています。
電動歯ブラシが振動する仕組みを以下で詳しく解説していきます。
1. モーターに電気を供給する
電動歯ブラシを動かすためには、「電気」が必要になります。
内部にあるモーターに電気を供給しなければ、電動歯ブラシは全く動作しません。
モーターに電気を供給するためには、「乾電池」または「リチウムイオン電池」が使用されます。
乾電池でモーターに電気を供給する電動歯ブラシは、価格の安いエントリーモデルの電動歯ブラシに見られる傾向にあります。
一方で、リチウムイオン電池は、いわゆる「充電式の電動歯ブラシ」で採用されており、多くの電動歯ブラシで見られます。
これら乾電池やリチウムイオン電池は、電動歯ブラシの本体下部に内蔵されていることがほとんどです。
2. 電気でモーターの回転軸を動かす
乾電池やリチウムイオン電池から、モーターに電気を供給すると、モーターの回転軸が動きます。
モーターは、電気エネルギーを回転力に変換する装置です。
そしてモーターには、ステータとロータという2つの部分があります。
ステータには電気が通るコイルが巻かれていて、ロータには磁石が入っています。
ステータのコイルに電気を流すと、コイルが磁石のような役割になりロータが動きます。
ロータが回転することで、モーターは物を動かす力を生み出すことができます。
要するに、電気エネルギーを回転運動に変化するためにモーターが使用されている、という理解で大丈夫です。
3. 回転軸に中心をずらした重りをつけると、回転運動が振動に変換される
モーターの回転軸に、中心をずらした重りを付けると、回転運動が振動に変換されます。
この「回転運動を振動に変化させる」という部分が電動歯ブラシの仕組みの重要なポイントになるでしょう。
この振動をブラシに伝えることで、電動歯ブラシで歯垢が除去できるようになります。
個人的な見解ですが、大手メーカー品や優秀な電動歯ブラシは、
- ブラシには振動がよく伝わる
- 持ち手部分には振動があまり伝わらない
といった工夫があるように感じます。
この点にこだわりがない電動歯ブラシだと、持ち手が強く振動してしまい、手がピリピリしてしまう感じがあります。
なお、オーラルBなどの電動歯ブラシでは、回転軸に重りではなく「ギア」を利用しています。
4. 振動がブラシの先端に伝わり、歯垢を掻き取る
最終的には、振動力がブラシの先端まで伝わり、ブラシの振動することで歯垢を除去します。
振動しているブラシを歯に当てると、ブラシが小刻みに動き歯垢を除去できるのです。
2014年のコクラン(非営利団体)の報告では、以下のような結論が出されています。
このレビューでは、手動歯ブラシと比較して、長期的および短期的に歯垢と歯肉炎を減らすのに電動歯ブラシが手動ブラシよりも効果的であることがわかりました。 プラークの 11% の減少 (Quigley Hein (Turesky) 指数) が 1 ~ 3 か月で示され、3 か月以上でプラークの 21% の減少が示されました。
Corhrane Libraryより引用(筆者翻訳)
まとめ
本記事では、電動歯ブラシの仕組みについて解説しました。
- モーターに電気を供給する。
- 電気でモーターの回転軸を動かす。
- 回転軸に中心をずらした重りをつけると、回転運動が振動に変換される。
- 振動がブラシの先端に伝わり、歯垢を掻き取る。
上記の仕組みを理解するためにも、電動歯ブラシの構造を知っておくとスムーズです。