電動歯ブラシの振動数は多くても意味がない?電動歯ブラシ選びで参考になる項目はどれ?
電動歯ブラシを選ぶとき、無意識のうちに「振動数」を注目していませんか?
実は振動数の多い機種を選んだとしても、満足のいく磨き心地を得られない可能性があります。
なぜなら、「電動歯ブラシの振動数の多さ=歯垢除去力の高さ」ではありません。
たとえば、
- A社メーカーの30,000回/分
- B社メーカーの30,000回/分
の2台の電動歯ブラシがあった場合、歯垢除去力は同じであるといえるでしょうか。
いいえ、たとえ振動数が同じ電動歯ブラシが2台あったとしても、それらの歯垢除去力が同じであるとはいえません。
本記事では、「電動歯ブラシの振動数の多さ=歯垢除去力の高さ」ではない理由をお伝えします。
記事の内容を参考に、電動歯ブラシ選びで後悔のない選択をしましょう!
「電動歯ブラシの振動数の多さ=歯垢除去力の高さ」ではない理由
それでは、「電動歯ブラシの振動数の多さ=歯垢除去力の高さ」ではない理由について解説していきます。
そもそも電動歯ブラシの歯垢除去力は以下の3点で決まります。
- 振動数
- 振動幅
- ブラシの素材、形状
これら3点の中でも、「振動幅」は特に重要です。
もし電動歯ブラシの振動幅が小さいと、振動数がどれだけ多くても、電動歯ブラシ自体の歯垢除去力は低くなります。
これは「超音波式電動歯ブラシ」と「音波式電動歯ブラシ」の特徴を知ることで理解できます。
超音波式電動歯ブラシの特徴
- 振動数が最低でも120万回/分。
- 超高速振動を実現するために振動幅は小さい。
- 普通の歯ブラシのように左右に細かく動かして使用する。
- 歯垢を除去する効果はあまりない。
- 歯面へのプラークの付着力を弱める。
音波式電動歯ブラシ
(一般的な電動歯ブラシ)
- 振動数は約20,000~40,000回/分が一般的。
- 超音波式電動歯ブラシより振動幅は大きい。
- 歯にブラシを優しく当ててゆっくりスライドさせる。
(左右に細かく動かす必要はなく、一方向に動かせばよい。) - 歯垢を除去する効果がある。
- 歯面へのプラークの付着力を弱める。
超音波式電動歯ブラシは、振動数がものすごく多い代わりに、振動幅が小さいという特徴があります。
そして、厚生労働省のeヘルスネットには以下のように記載があります。
超音波歯ブラシにはプラークそのものを除去する効果はあまりないといわれていますので、使用後、歯面から剥がれたプラークを歯ブラシで取り除くのもいいでしょう。
歯みがきを助けるもの(電動歯ブラシ・歯磨剤・洗口液)
一方で、超音波式電動歯ブラシよりも振動数が小さい音波式電動歯ブラシは、歯垢を除去する効果が認められています。
このレビューでは、手動歯ブラシと比較して、長期的および短期的に歯垢と歯肉炎を減らすのに電動歯ブラシが手動ブラシよりも効果的であることがわかりました。 プラークの 11% の減少 (Quigley Hein (Turesky) 指数) が 1 ~ 3 か月で示され、3 か月以上でプラークの 21% の減少が示されました。
Corhrane Libraryより引用(筆者翻訳)
電動歯ブラシにおいて、振動幅は「ブラシで歯垢をかき出す力そのもの」です。
その振動幅が小さいと、歯垢をかき出す力が弱くなってしまうのです。
以上のことから、「振動数がどれだけ多くても振動幅が小さいと歯垢除去力が低い」といえます。
ここまで読んだ人であれば、「電動歯ブラシの振動数の多さ=歯垢除去力の高さ」とご理解いただけるのではないでしょうか。
格安の電動歯ブラシの中には「42,000回/分」と書いている機種があり、大手メーカー品の「31,000回/分」よりも歯垢除去力が高くみえます。
しかし、実際には格安の電動歯ブラシは粗悪な作りで、振動数だけ多く振動幅が小さいため、歯垢を除去する効果が低いことがほとんどです。
そのため、電動歯ブラシを選ぶときは振動数だけに注目するのは止めてください。
電動歯ブラシを使用したことがない人は、基本的に大手メーカー品の中から選ぶことをオススメします。
また、大手メーカー品を選びたくない人であっても、SNSなどで口コミ評判の良い機種を選ぶべきです。
電動歯ブラシ選びで参考になる項目
電動歯ブラシの振動数が参考にならないため、以下のような項目に注目すべきです。
- 替えブラシの価格
- 機能(過圧防止など)
- 付属品(充電器台・トラベルケースなど)
- 電源方式(乾電池式or充電式)
- メーカー・ブランド
- 保証期間
上記の中でも、「替えブラシの価格」「機能」「メーカー・ブランド」の3点は特に重要です。
重要な項目①:「替えブラシの価格」
まず、替えブラシの価格は安いものだと「約200~500円/本」ですが、高いものだと「約800~1,000円/本」です。
だいたい3ヵ月ごとに1本消費することになるので、替えブラシの価格が安いものを選べば、ランニングコストを抑えることができます。
筆者の感覚では、
- 日本メーカー=替えブラシが安い
- 海外メーカー=替えブラシが高い
という感覚があります。
替えブラシのランニングコストを抑えたい場合には、日本メーカーの電動歯ブラシがオススメです。
替えブラシの価格が全てではありませんが、重要な項目であることに間違いありません。
少なくとも電動歯ブラシを購入する前に、その機種に対応する替えブラシの価格を調べておくべきでしょう。
重要な項目②:「機能」
次に、電動歯ブラシの機能面も注目するべきです。
たとえば、以下のような機能がある電動歯ブラシは優秀です。
- 過圧防止機能(押しつけ防止センサー)
- 磨き角度センサー
- 動かしすぎ防止センサー
磨き角度センサーや動かしすぎ防止センサーはハイグレードな機種にのみ搭載されています。
過圧防止機能(押しつけ防止センサー)であれば、価格の安い機種にも搭載されているので注目してみてください!
重要な項目③:「メーカー・ブランド」
電動歯ブラシ選びで失敗したくない人は、メーカー・ブランドに注目してください。
大手メーカーの電動歯ブラシであれば、大外れの機種を購入してしまう可能性は少ないでしょう。
電動歯ブラシだと以下の4社が有名です。
メーカー名 | ブランド名 |
---|---|
フィリップス | ソニッケアー |
ブラウン | オーラルB |
パナソニック | ドルツ |
オムロン | 無し |
「電動歯ブラシについてよく分からない」という人はこれら4社の電動歯ブラシをオススメします。
本サイトでは、大手メーカーの電動歯ブラシをレビューしていますので、ぜひ参考にしてください。
メーカーごとに電動歯ブラシレビューを探す
まとめ
本記事では、電動歯ブラシの振動数が参考にならない理由についてお伝えしました。
繰り返しますが、「電動歯ブラシの振動数の多さ=歯垢除去力の高さ」ではありません。
なぜなら電動歯ブラシの歯垢除去力は以下の3点で決まります。
- 振動数
- 振動幅
- ブラシの素材・形状
振動数の多さだけではなく、「振動幅の大きさ」も重要なのです。
振動幅の大きさはメーカーが公表していないため、実際に使用してみるまでは電動歯ブラシの歯垢除去力は分からないのです。
そのため、電動歯ブラシを選ぶときは以下の点に注目してください。
- 替えブラシの価格
- 機能(過圧防止など)
- 付属品(充電器台・トラベルケースなど)
- 電源方式(乾電池式or充電式)
- メーカー・ブランド
- 保証期間
「電動歯ブラシの選び方」の詳しい解説は以下の記事から!
あなたにピッタリの電動歯ブラシが見つかりますように。